PASセルフケアセラピィ看護学会第７回大会大会長挨拶

 

 

 

PASセルフケアセラピィ看護学会　

第７回大会大会長　松枝美智子

                                                                                                      星槎大学大学院教育学研究科修士課程　教授

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　九州・沖縄高度実践看護師活動促進協議会　代表

　

​　拝啓

　盛夏の候、皆様方におかれましては、益々、ご清祥のこととお慶び申し上げます。日頃から当学会の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。

本学会は、国民の健康とQOLの促進を目指して、PASセルフケアセラピィやセルフケアプログラムを広く臨床や教育の現場に実装し、発展させていくことを目的に2017年に設立されました。この7年間の実践知や理論知の蓄積を基盤に、2024年9月１日（日）に「ケア困難な患者の地域生活を豊かにするためのセルフケア看護アプローチの実装」というテーマで第７回大会をオンラインにて開催します。

　地域包括ケア時代と言われる現在、入院期間は益々短縮化され、早々に地域生活に移行する方が増加しています。しかしそのような状況にも関わらず、地域医療の現場はまだまだマンパワーや診療・介護報酬が十分ではなく、充実した地域生活を人々が送るために必要な支援についての経験知や理論知も十分に蓄積されていない現状があります。それに加えて、2019年12月から始まったCOVID—19大規模災害により、医療現場、在宅医療の現場では医療・福祉職者の燃え尽きや “Quiet Quitting”(Galanis et al.,2024) と言われるひそかな退職が招くケアの質の低下が危惧されています。

このような状況を打開するためには、支援者自身のセルフケアによるレジリエンスの強化を基盤にして、患者のセルフケアの促進・地域生活の充実に繋いでいくかが課題となっています。

　今回の大会ではPASセルフケアセラピィをはじめとするセルフケア看護アプローチの一層の深化と進化のためには何が必要かを参加者の皆様と一緒に考えたいと思います。

　本大会がPASセルフケアセラピィをはじめとするセルフケア看護アプローチの更なる発展の契機、全国のセルフケア看護アプローチの実践家や教育・研究者の交流の機会になれば幸甚です。以上、本大会の趣旨をご理解いただき、変わらぬご支援とご協力を宜しくお願いします。

　最後になりましたが、皆様方の益々のご健康とご活躍を祈念しています。

敬具